除草に関して(2023年改訂版)

2023年05月20日
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ハイ。というわけで、雑草対策に関する話です。今までも私はこのブログで雑草や除草剤に関する話(下のリンク)をしてきたのですが、今回は前回に雑草に関する話をしてからの1年間で新たに気づいた雑草についての話をしていこうかと思います。

 

ではさっそくですが、結論から話しましょう。

 

雑草が生えるには生える為の空間が必要である。

 

何を当たり前のことを、と思うでしょうが、雑草をどうにかしようとするなら、この至極当たり前なこの前提情報をしっかり理解しておく必要があります。何故こんな当たり前のことを言うのかとと言いますと、そもそも植物の生育に必要な物と言われ、真っ先に「空間」を答える人がほとんどいない、もしくは答えにすら出さない人が多いからです。大抵、「水、光、栄養(肥料)」の3つを真っ先に挙げるのではないでしょうか?

以前、雑草を除去するには、上記の「水、光、栄養」のどれかを阻害すればいい、という感じの話をしましたが、それら3つをどうにかする以前に、そもそもの前提である生える為の「空間」をどうにかする方が手っ取り早く、そして除草の効率がいい、というのが今回の話です。

 

どのように雑草から「空間」を奪うのか?

 

私のオススメの方法は、雑草を抜かずに10~20cm程に高さになるよう切り揃えてから液体タイプの除草剤を散布する方法です。以前から何度も言ってきているのですが、雑草対策は抜かないことが、非常に重要です。以前までは、地中に根が残ったり、抜いた際の刺激で地中の種が発芽する為、抜いてはいけない、という話でしたが、今回の理由は、枯れた雑草がその場に残り続けることで、他の雑草が生育するのに必要な空間を埋める為、です。

雑草が既に生えている場所に、新たに雑草が生えることはほとんどないのです。これは雑草だけでなく植物全体に言えることです。花だけ見ると隙間の見えない花畑でも、茎を見れば、他の植物から離れているのが見て取れるでしょう。これと同様に雑草も雑草同士の間には空間が必要ですから、こういった方法がとれるわけです。

この方法のメリットとデメリットですが、メリットは特別な道具が不要でコストが低い点、デメリットは枯れた雑草が残り続けるのであまり美観がよろしくない点、でしょう。また、他に美観などの理由で意図して植えている植物があった場合に除草剤の散布には気を付けなければならないことや次に挙げる方法よりは手間がかかってしまうことも、デメリットと言えなくはないかもしれません。

他の方法としては、防草シートやアスファルト・コンクリートで完全に「空間」を埋めてしまうことが挙げられるでしょう。この方法は効果が長期に及ぶのがメリットで、コストが高いことがデメリットと言えます。防草シートが「空間」を埋めているというと、違和感があるでしょうが、防草シートというものは、地中への光をなくすと同時に、新たに外部からやってくる種子が発芽し、根が張る「空間」を埋めているので、ここに分類しました。

 

とまぁそんな訳で、改めて今回のまとめ。

雑草は抜くのではなく、刈りましょう。そのあとに液体タイプの除草剤を散布しましょう。

という訳で、終わり。の前に因みになんですが、液状の葉から根を枯らすタイプの除草剤は散布した箇所にか効果がないので、すぐ近くに他の植物があっても、問題はありません。ただ、粒状のものは地中から根を通して除草剤の成分が浸透していくので、ダメです。

では、今回はこれにて終わりとします。除草作業の参考になれば幸いです。

 

除草剤の効果

除草作業の注意点

今からでも遅くない! 除草剤のススメ

雑草って何?」

意外と不便なメートル法

2023年05月16日
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こんにちは。以前私はこのブログで1畳の大きさに関して話しました。皆さんの中には、1畳のサイズ(東京サイズ 176cm×88cm=1.54㎡)を聞いて、なんか中途半端な数字だな、とお思いの方もいたのではないでしょうか?

 

その理由は、1畳という単位が成人1人が寝転がれる面積を指すからです。このサイズでは足はみ出すよー、という方もいるでしょうが、昔の日本人を基準にしているので、このサイズになるわけです。

このように人間の身体を基準にして物の大きさや重さを表す方法を身体尺、あるいはヤード・ポンド法と言います。また、普段私たちが使用するメートルやグラムで表す方法をメートル法と言います。

 

先ほどの1畳の例のように身体尺での単位はメートル法で直すと非常に中途半端で一見して使いづらいように見えますが、今日まで残っている理由は、実はある側面から見るとメートル法より非常に分かりやすいからなんです。

 

その理由とは、人間の感覚的には非常に想像しやすいから、です。どういうことか?

 

例えば、先程の1畳の話を知っていれば、6畳の部屋があったとすると、この部屋には単純に6人が寝転がるスペースがある、と想像できますよね。これが、メートル法換算で9.24㎡の部屋、と言われても、その部屋の広さを想像することは難しいでしょう。

このように、人の体、もっと言えば、自分の体を基準にできるので、身体尺は日常生活においては、メートル法より使いやすいわけです。

 

ちなみに、ヤード・ポンド法のポンドという単位は、大体450グラムなんですが、これは欧米人が1日に食べる小麦粉の量を表しています。要するに、1ポンドとは1日生きるのに必要な食べ物の量、というわけでです。

さらにちなみに、日本でこれに該当する単位がお米の量である1合、1合とかの「合」です。1合というのは、1食分のお米の量を指していて、グラムに直すと150グラムくらいなります。つまり、1ポンド=3合で大体合っているわけです。

ここでも、お米1食1合も食べないという意見もあるでしょうが、昔のおかずとかあまりない時代の話なので、その辺は適度にスルーしていただくようお願いします。

まぁ、おかずがあったとしても、主食との総量としては1食150グラムは今でも、適用できるので、目安にすると分かりやすいわけです。

 

さらにさらにちなみに、ポンド砲という大砲がありますが、なぜポンド砲と言うかと言いますと、1ポンドの砲弾(鉄球+火薬+信管)=敵1人をこの世から御退場いただける重さ、だからです。だから、漫画のワンピースでゾロが「100ポンド砲」とか言う技を使ってましたが、アレは100人分、と言うことですね。

他にも身体尺の単位はあるので、どう言う由来か調べると日常生活に役立つと思いますので調べてみてはどうでしょうか?

そんなわけで、長くなりましたが、今回はこの辺りで終わりとします。

今更聞きづらい話 1畳ってどれくらい?

2023年03月31日
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こんにちは。今回はタイトルにある通り、1畳の大きさについて話していこうと思います。

 

結論から言いますと、大体 1.62m² となります。何故大体かと言いますと、地域によって大きさが異なる為です。一応、不動産の表示に関する公正競争規約施行規則「物件の内容・取引条件等に係る表示基準」で1.62㎡以上と定義されていますが、不動産広告にある1畳は畳1枚分の大きさのことを指し、地域の畳業界によって大きさがマチマチなんです。

因みに。関東の1畳は176cm×88cm=1.54㎡と一番小さかったりします。これは、かつてのゼネコンが「経費削減したいけど、広告の面積を小さく表示したくないなぁ。何か方法はないか?そうだ!畳で表記すれば、いいんだ。1畳には統一規格がないから、嘘にはならないし最高じゃん」みたいな感じで、小さくしたためと言われています。

ですので、地方から東京に来て、部屋を借りようとするときは、地元と同じ感覚でいると、「あれ?なんか小さくない?」みたいな感じになるので注意しましょう。

そんな訳で、今回は終わりです。参考になれば幸いです。

下水管の詰まりに関して

2023年03月30日
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こんにちは。ここ2週間に2件も下水管の詰まりが管理物件で起こりました。原因はどちらもテナント様が一切関与しないことでした。特に1件はかなり珍しい原因だったので、今回はこの2件の詰まりに関して紹介しようと思います。

 

まず1件目。お昼過ぎにお客様から連絡あり、夕方頃に現地に確認に行きました。外の汚水桝から逆流してきた汚水があふれており、おそらくこの桝以降の配管内で詰まっているだろうと当初は考えていました。まあ念の為、汚水のあふれていた枡の1つ先の桝を開けてみようと考え、開けてみると衝撃の光景が広がっておりました。

なんと、大量の排泄物が直径100mmくらいある配管にパンパンに詰まっておりました。普段の作業であれば、作業前の写真を撮るのですが、撮影したらダメな奴だと、瞬時に判断できるほど、ちょっと、いや、かなりヤバい絵面でした。

とにかく勢いよく詰まっている排泄物に水を当てて、ほぐしつつ、1時間ほど水を流し続けて、何とか詰まりを解消しました。

原因は地震等により配管の勾配が緩やかになってしまっていることと、古いコンクリート製の枡が経年劣化により配管とのジョイント部分が摩耗し、凹みができてしまったことで、そこに汚物が溜まるようになってしまったことだと考えられます。下の写真はこの現場の作業後の桝内部を撮影したものですが、赤三角で囲っている箇所が摩耗により凹んでしまっています。

このようなケースの場合、対処法は、桝の交換が必要で、今回の場合は、勾配もなくなってきているので、一度地面を掘り、配管の勾配を直してあげる必要があります。施工する長さにもよりますが、中々大がかりの工事となります。

 

次に2件目。こちらは、お客様からこういうことがあったと後日聞いた話です。

なんでも、配管内に木の根っこが詰まっており、それが原因で配管が詰まったとのことです。私も最初信じられなかったのですが、調べてみると実際にそういう事例はかなりの数あるらしいです。どうやって期の根っこが配管内に侵入するかと言いますと、桝から侵入するか、もしくは配管に罅割れがあり、そこから侵入するケースがあるとのことです。

対処法としては、桝から侵入しているケースで言えば、侵入経路である枡の隙間や罅割れを塞ぎ、配管内の根っこを切断することで対処可能とのことです。また、配管の罅から侵入するケースの場合は、地面を掘り、罅のある個所の配管を交換することで対処できるとのことです。

 

今回はちょっと珍しいケースでしたので、このブログで紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか?

2件目についてはかなり珍しいかなぁ、と個人的には思います。ただ、周りに草木があり、下水管を敷いたのが、かなり前であれば、起こりうることでもあります。なんか、水の流れ悪い気がするとか、悪臭がするとかあるのであれば、疑ってみてもいいかもしれません。

今回は以上です。参考になれば、幸いです。

 

マキタの電動草刈り機使ってみた

2023年01月30日
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最近、弊社ではエンジン式草刈り機から電動草刈り機に買い換えました。買い換えた理由は、主に今まで使っていたものが壊れてしまったからなのですが、他にも、近所のガソリンスタンドでは携行缶でのガソリンの購入ができなくなり、ガソリンの入手が困難になったことも理由です。

購入したのは、マキタの最新の電動草刈り機「MUR369UDG2」です。18Vバッテリー2つで動くものとなっています(下写真)。

  

購入金額は約7万円と少々お高いのですが、実際に使ってみて、金額相応以上の性能を持っていると感じました。今回はこの草刈り機がどういった部分が優れていたか、どういった欠点があるかを書いていこうと思います。

 

まず優れている点から。主に3つあります。

①バッテリー式であること

②エンジン式と同等の馬力

③楽々モードがあること(3枚目の写真右下のボタン)

これら3つがそうです。まず①についてです。こちらは、この製品というよりバッテリー式のメリットになります。どういったメリットかというと、重量の軽さ、手入れの簡易さ、駆動音の静かさの3つになります。エンジン式の場合、エンジンモーターが一体となっているので、どうしても重量がそれなりに重くなりますし、手入れもモーターの手入れが必要になりますので、中々難しかったりしますし、エンジンなので当然うるさいのですが、バッテリー式はそれらがないので、取り扱いは非常に楽になっています。

次に②について。通常、バッテリー式のものはエンジン式に比べ、馬力に劣る部分があるのですが、この製品は18Vバッテリーを2つ、計36Vとなっているので、エンジン式と変わらぬ馬力での運転が可能となっています。

最後に③について。この製品は、回転の強さを「低速、中速、高速」の3段階に任意に変えることができるのですが、この回転速度を刈り取る草の硬さに応じて、自動で変更してくれるのが、この楽々モードになります。私としては、最初は必要ないかとも思っていたのですが、実際に使ってみると、これが意外と役に立つ。使わずに草刈りしてみましたが、草の種類に合わせて回転速度を変えるのは、かなり面倒で、最終的には常に高速回転にしてました。その結果、バッテリーすぐに切れてしまうという事態になっちゃいましたが、楽々モードはその面倒な点を自動でやってくれるので、結果的に稼働時間の延長に繋がりました。

 

次に欠点、使いづらいと感じた点。

①バッテリー式の為、稼働時間が短い。

②稼働レバーが若干使いづらい。

まず①。先にも述べましたが、高速回転だと割とすぐバッテリー切れします。大体20分程ですかね。低速でもそれなりの草を刈れますが、稼働時間は50分程とあまり広い場所をやろうとするには、向かないと言わざる負えません。

次に②。これは、使ってみた感想ですが、この製品を稼働させるのには電源を入れてから稼働スイッチを押すのですが、これを誤って押して稼働してしまわないように、反対側にロックスイッチがついていて、このロックスイッチを押しながらレバーを押すことで稼働できます(下写真、左の赤が稼働、右の赤がロック)。これが、ずっと押していると疲れる。

 

総評。20、30分程使用するには、十分どころか十二分だが、長時間使用するには、若干の難がある。と言ったところです。

個人的には、弊社では長時間使うということもおそらくないし、使用頻度も少ないでしょうから、大変満足いく商品でした。

このブログを読んでいる方で、草刈機を新調しようと考えている方がいるなら、参考にしていただければ幸いです。草刈機買うのに、態々不動産会社のブログを読みにくる方がいるかどうかは、分かりませんが(苦笑)。

 

今回は、ここらで終わろうと思います。

最近ハマっています

2023年01月19日
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こんにちは。最近、私は「ウミガメのスープ」というクイズにハマっています。水平思考クイズとも呼ばれているものなのですが、これが中々おもしろくて、このクイズを紹介している動画を見まくっています。

どういったクイズかと言いますと、解答者が出題者に対して、「YES」「NO」「関係ありません」のいずれかで答えられる質問をしていくことで真相を導き出すものです。

このクイズの名前にもなっている「ウミガメのスープ」という問題を例に挙げます。

 

ある男が、とある海の見えるレストランで「ウミガメのスープ」を注文した。

スープを一口飲んだ男は、それが本物の「ウミガメのスープ」であることを確認し、勘定をすまた帰宅した後、自殺した。一体、なぜ?

 

見てわかる通り、問題文だけでは、余程想像力がなければ答えを導き出せないクイズとなっています。この問題に対して、質問を繰り返して、この男の状況、思考を明確にしていき、真相にたどり着く、という感じのクイズというわけです。このクイズの答えは、知りたい方はネットで検索すれば、出てくるので、調べてみてください。

 

このクイズの解答を導くのに必要な能力は、常識に囚われない柔軟な発想力です。上の問題もそうですが、このクイズの答えは、常識の範疇にないことも、よくあります(日常で起こりうることが解答になることもありますが…)。

なので、柔軟な発想力を鍛えるのに、適している・・・かもしれません。

 

仕事や日常でも解けない問題に直面することは結構あると思いますが、時として常識的な考え方を捨てれば、何か突破口が見つかるかもしれません。

今回は、こんなところで、終わりとします。

実は、男子トイレ改修してました

2022年12月14日
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こんにちは。実は、今年の7月に、三基本社の5階・6階の男子小便器を改修してました。半年もたっているのに、今更なぜブログに書いたかと言いますと、ブログのネタとしていつか書こうと思い、取っていたんですが、今日まで忘れてしまっていたんですよねぇ(苦笑)。

そんな訳で、今回はトイレ改修の話。ではさっそく、写真をドーンッ!!と、

 

 

 

これは、改修後の写真です。便器を替えるついでに、後ろのタイルもウッド調のものに変えてみました。以前の物より尿が外に跳ねるのが、軽減されるよう、サイズを大きくしてみました。工事期間は、既存撤去に1日、タイル貼り付けに2日、新品取り付けに1日の計4日かかりました。まぁ、大分工期に余裕見て、業者には施工させましたので、詰めてやれば、2・3日でできたかなぁという感じでした。

因みに、工事前の写真と工事中の写真はこんな感じ。

 

 

 

写真を見てもらえば分かる通り、元々のトイレは人感センサーと便器が別々だったのですが、新しいものは、便器と一体型になっています。トイレを改修するという話が出たときは、既存のセンサーを活用しようと考えていたのですが、設備屋に聞くと、今の主流が一体型で、別々の物は、あまりないとのこと。あるにはあるけど、このセンサーに使われる部材があと数年で廃番になるとのことで、メンテナンスができなくなるという話でした。そんな訳で、これを機に一体型のものに変えたという経緯があります。あと、素人でもメンテナンスが楽、というのもこのトイレを選んだ理由だったりします。

 

はい、という訳で、トイレを交換したという話でした。

最後に、これから小便器を取り替えようと考えている方の為に、参考として、このトイレの商品名だけ書いておきます。では、また次回。

 

トイレ商品名:リクシル「U-A31AP/BW1」

ヤマト運輸様の電動シャッター取替工事を施工しました

2022年11月16日
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こんにちは。先日、ヤマト運輸様の電動シャッターを取替させていただきました。新品になると、開閉もスムーズで見ていて気持ちがいいものです。しかも今回は昨今の超大型台風などの大きい災害にも対応した最新のシャッターの取付でした。まぁ、最新のシャッターと言っても、要は超大型台風でもシャッターのスラット部分がレールから出にくくなっているというだけなのですがね。今回はそんな耐久力の上がったシャッターとそれまでのシャッターとの違いについてでも書いていきます。

さっそく結論から書きますが、レールが大きく変わっているのです。どう変わっているかと言うと、それまでのシャッターのレールは既存の部材の組み合わせで作っており、部材同士の接続部の耐久性が低かったのですが、最新のレールは、そのレール専用の型枠で専用の部材を一から作り出すことでこの接続部の耐久性の低さを限りなくゼロにしているわけです。下の写真は1枚目が3年前のもので、2枚目が今回工事の際のものです。それぞれシャッターレールが写ったもの(1枚目は赤枠部分)なのですが、全然違うのが見てわかると思います。1枚目はちょっと遠めからの写真で分かりづらいですが、いくつかの既存部材を溶接して作り上げていることがわかります。一方2枚目は、真ん中にごつい専用の部材があってその周りを補強するような形でレールが形成されているのがわかります。2枚目も部材を組み合わせてはいますが、あくまで、メインとなるのは真ん中のごつい部分で、この溝の部分を組み合わせの部材ではなく、1つの部材にすることで強度を上げているという訳です。更に言えば、このレールの形に合わせてシャッタ端の鉤爪状の部品(レールからシャッターが抜けないようにする部品)も作られているので、強風で煽られても、シャッターがレールから外れてしまうという事態を防いでくれています。

 

 

とまぁ、こんな感じで、見た目変わらないシャッターも実は、時代に合わせて進化しているよ、ということを今回は書いてみました。実は、モーターとか他の部分も変わっていますが、ここ最近では特にレールが変わっているので今回はレールについて書きました。因みに、耐久性と共に値段も高くなっております。大体1割くらい。今回工事は三和シャッター様のもので、他のシャッター屋がどうかは分かりませんが、三和様曰く、今後付けるシャッターはこの仕様しかないようです。グレードを下げて値段を下げるということができないようになっているようです。まぁ、安全の為ですから、仕方ないのかもですねぇ。

最後に今回工事のシャッターのビフォー・アフターの写真を載せて終わりとします。

ラジカル塗料について

2022年10月20日
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こんにちは。今回は、タイトルの通り、近年開発された新たな塗料、ラジカル塗料に関しての話です。初めて聞く方も多いのではないかと思います。かくいう私も、つい1か月くらい前に、塗装工事で使っているのを見て、知りました。今回はそんな聞き覚えのない、最新の塗料であるラジカル塗料とは何なのかを解説していこうと思います。

 

では早速と本題に入る前に、従来の塗料について軽く触れておきます。従来の塗料にはグレードの低い順に、①アクリル、②ウレタン、③シリコン、④フッ素、の4種があり、耐用年数と価格が右に行くほど多くなります。参考までにアクリルの耐用年数は4年~7年で価格は¥1,200~¥1,800/1㎡、フッ素の耐用年数は15年~20年で価格は¥4,000~¥5,000/1㎡です。因みにウレタンとシリコンはこれらの中間くらいで、シリコンはウレタンより若干高いといった感じです。ウレタンとシリコンについては、シリコンの方がグレードは上ですが、ウレタンの方が光沢が出るので、あえて、こちらを使う方も多いです。

 

とまぁ、従来の塗料についてはこの辺にして、本題に入りましょう。まず「ラジカル」とは何かから説明します。「ラジカル」とは塗料の劣化因子のことです。上記にあげた塗料は日光や雨風にさらされることで、塗膜内で、「ラジカル」を発生させます。チョーキングや塗膜の割れが生じるのは、こいつの所為なのです。

で、肝心のラジカル塗料とは、この劣化因子「ラジカル」を抑制することで、耐久性を高めた塗料のことです。要するに、ラジカル塗料は正確には、ラジカル抑制塗料、といったところでしょうか。このラジカル塗料の優れた点は、劣化の原因を抑制することで、美観を保ちながらも、高耐久を実現できるという点です。従来の塗料は素材そのものの耐久性を頼りにしている為に、どのグレードの塗料を使っても、劣化が進めば進むほど、劣化した部分がさらに劣化を促進させるので、時間が経てば経つほどに劣化の速度も速くなるという特徴がありました。ラジカル塗料は、この劣化そのものを抑制する為、上記の従来品の特徴を従来よりもかなり抑えることに成功した塗料です。結果として高耐久でありながら、チョーキングや割れも生じづらい為、美観も保つことができるって訳です。

因みに、「ラジカル」とは先に述べた通り、ラジカル抑制のことなので、ラジカル塗料と言っても、ラジカル抑制の為の物質を配合している以外は、従来品と大元の素材そのものは変わりません。例えば日本ペイントさんから出ているラジカル塗料「パーフェクトトップ」はアクリル系ラジカル塗料ですし、関西ペイントさんの「ダイナミックトップ」やエスケー化研さんの「プレミアムシリコン」はシリコン系ラジカル塗料です。要するにラジカル塗料とは、あくまで、ラジカル抑制機能を持った塗料の総称という訳です。

 

最後に皆さん気になっているでしょうラジカル塗料の耐用年数と価格について。耐用年数は12年~15年で価格は¥2,500~¥3,500/1㎡です。先のグレード的には、シリコンとフッ素の間くらいになります。シリコンと同等くらいの価格でシリコンより耐久性が高い位置にある感じです。その為、30年スパンで見た場合、シリコンが塗装回数が2回から、場合によっては3回になるのに対し、ラジカル塗料では、2回に抑えることができるので、施工した際は高く感じても、年単位で施工費を割ると安く仕上げることができる、と言われています

何故、伝聞口調なのかというと、何分新しい塗料の為、まだ実績としては少ないので、技術としてはこうなるはず、としか言えない部分がある為です。2010年に開発されているので、そろそろ、実績としても結果が見えてくるはずですが、塗膜の劣化速度は環境によって大きく変わることも周知の事実で、不安が全くないわけでもないので、ある意味、実績がないことが、現時点における、この塗料唯一の欠点かもしれません。

 

とまぁ、今回はここらで終わりとさせていただきます。これから外壁の塗装を考えている方の参考になれば幸いです。

 

 

※補足

上記に示した価格はあくまで参考程度です。塗装の回数や方法によりこの価格より低くなることもあれば高くなることもあります。

知らないは怖い

2022年08月31日
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こんにちは。先日お得意先のお客様からこんな電話がありました。

 

とある会社に貸している倉庫の電動シャッターの開閉に不具合が出た。開閉ボタンを押し続けないと開閉しなくなったとのこと。安全装置の電池が切れえているのかと思い、交換してみたが直らなかった。最初はこの倉庫のテナントさんがこのシャッターのメーカーに連絡し、見積もりを取ったそうなのですが、出てきた見積もりが安全装置の取替で、金額が20万強と高額で、困ったテナント様から私の方に相談があった。私としてはいくらか負担するのは仕方ないとは思っている。ただ、この金額は高いと思っており、私自身はシャッター工事に詳しくない為、詳しい人に聞きたいと思い、三基に連絡した。

 

実際には少し違うのですが、概ねこんな感じの連絡がありました。ハッキリ言って、お客様が弊社に連絡したのは、かなりのファインプレーだったと思います。この話を聞いて、私がまず思ったのが、安全装置の交換にしてはかなり高額だ、ということです。なので、とりあえず、テナント様がとった見積もりを見せてもらったのですが、普通はあまり見ない項目があることに気づきました。その項目とは「座板」です。この「座板」とはシャッターの一番下についている部品で、地面や物がシャッター下にあったときに一番最初に接する部分のことです。今物件のシャッターは座板検知式の安全装置がついているようなので、安全装置の一部品とも言えなくはありません。しかしながら、この部品が破損するというのは非常に稀で、それこそ、シャッターに車が突っ込む等の事故が起きてこの座板自身も誰が見ても歪んでいる、という状況でもない限り交換の必要はありません。

そんなわけで、弊社からこのシャッターメーカーの知り合いに再度、現地確認と見積もりをお願いしてみたところ、出た見積もりが、「座板」交換なしで約10万円。つまり、同じメーカーの人に見積もりしてもらったのに、金額に2倍、10万円もの差が生まれたわけです。何故こんな差が生じたのか?

 

その理由が、「最初に見積もりの為に現地確認に来た人が電気工事できない純営業の人だったから」です。

 

つまり、最初に来た人には、「座板」が破損していないことを確認する術を持っていなかったのです。だから、破損している可能性があるとして、見積もりし入れていたようです。この座板の破損を確認するには座板をガコッと上にあげ(このタイプの座板は上に押し込まれることで物を検知する)て、安全装置送信機が点滅すれば異常なしと判断できるのですが、今回は安全装置送信機が壊れていたため、それを確認することができなかったわけです。この状態で、座板が正常であることを確認するのは、配線をいじることができる電気工事関係の資格保有者でなければ無理です。弊社が連れてきた人は電気工事が可能な人であった為、座板が無事であることを確認できた、という訳です(弊社が連れてきた人が言うには、本当はこの確認にも作業費が発生しているようですが、付き合いがあるからとオマケしてくれたようです。ホント感謝です)。

そんなわけで、当然弊社の方で工事することになりましたとさ。

 

因みに、結局この物件の工事は安全装置の取替ではなく、モーター一式の取替になりました。というのも、話を聞いていると10数年既に使用しているとのことでしたので、ワザワザ10万もかけて安全装置だけ交換するよりももう20万円程足して今後10数年万全に使用できる方がお得ですよ、と説明させていただいた結果ですね。既にに10数年経っているならモーター自身の寿命でもあるので、せっかく10万円かけて安全装置交換しても、1,2年してモーターが壊れて、損をするということもあり得るので、合理的な判断ですね。

最終的にはお客様とテナント様の話し合いで安全装置交換代金の約10万円程はテナント様が負担し、残りの20万円程をお客様が負担することになりました。テナント様としては最初の見積もりの半額以下に出費を抑えられたし、お客様としても払う金額だけで見れば最初より増えてしまったが、10数年の間このシャッターに悩まされることはなくなったわけで、長い目で見れば、かなり得した結果に治まりました。

 

最終的には、皆、得して終わりましたが、コレ、最初の時点でお客様が見積もりの金額に疑問を覚えなければ、かなり悪い結果に終わっていたと思うと、恐ろしいことですよね。メーカー側にしてもこんな結果になっては評判を落としたかもしれないし、金銭的にもモーター一式交換していなければ、手間の割にはあまり儲からないメンテナンス工事を何度も行うことになっていたかもしれない訳で、今回の結果はかなり得してるのではないでしょうか。

 

知っている、ただそれだけのことで、世の中の様々なことの結果が大きく変わる、そんなことがあるのだと、実感した出来事でした。

以下参考写真

安全装置送信機

座板(座板検知式安全装置の、2枚目は座板が上に上がっている写真)