アースダイバーと不動産

2021年07月19日
投稿者:

三基建設の松川です。

最近、大阪という土地に対する知見を深めようと「大阪アースダイバー」という本を読み始めています。

かなり難解な本です。大阪が他の都市の成り立ちと大きく異なる、といった大まかな内容は理解できました。

それでも、何とか読み進めた中で興味深かったことがありました。

本によると、古代の大阪は上町台地(大阪城から南にのびる台地)にあたる陸地以外は内海だったそうで、

長年の年月をかけて淀川からの土と大和川からの土が内海に流れてきて、大阪平野ができたそうです。

当時において大阪平野は、雨の影響で形状すら変化する不安定な土地でした。台地のしっかりした土地には宗教施設やお城などが建っており、

不安定な土地に商人が住むようになったとのことでした。

大阪の地名で、鴫野、鷺洲、鶴橋などの地名がありますが、この地名に含まれる鳥は浅瀬で食事する鳥類です。当時の庶民が不安定な土地で生活していたのは事実のように思われます。

一方で、いくつも分かれた河川は商業においては有利に働き、物流も大いに発展した一因になったそうです。この傾向は世界的に顕著で、ベネチアなどはその典型にあたるそうです。

本のなかで古代の大阪の地図があったのですが、よく見るハザードマップを連想していしまいました。

 

大阪が商人の町であることやハザードマップで示されるリスクなどから、古代から千数百年後の現代においても都市の成り立ちによる大きな影響を実感せざるを得ません。

不動産会社においては、想定最大規模のハザードマップを重要事項説明において説明しなければなりません。

予算の関係上、自治体によってはハザードマップが想定最大規模のものではなかったりします。その場合は計画規模のものでの説明になります。

自治体独自(水防法に基づかない)のハザードマップについては不動産会社は説明しなくてもいいのですが、できる限り調査して情報公開することがお客様にとっての利益につながると考えております。また、建築のアイデアによって、これらのリスクに対応するご提案も可能かと思います。

土地探しから施工までご検討されるなら、ぜひ三基建設までご相談ください。