無駄知識2

2017年03月27日
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少しずつ暖かくなってきましたね。とはいえ、季節の変わり目は体調を崩しやすいので、花粉症だけでなく、風邪などにならないよう体調管理もしっかりしなければなりません。

今回は、誰も覚えていないでしょうが以前ブログに書いた無駄知識の続きのような話を書こうと思います。

「東洋の猿め!」

皆さんも映画やアニメで一度は聞いたことがあるこのセリフについての話をしていきます。一般的にはこのセリフは19世紀当時の東アジアが西欧からして技術的後進国であったことを揶揄したものとして有名ですが、実は、キリスト教の宗教観とダーウィンの進化論、そして世界地図がこのセリフの根底にはあります。

順を追って、まずキリスト教の宗教観について説明していきます。以前ブログで私は、神道の宗教観を図形で示したことがあるのですが、それと同じようにキリスト教を図形に示すと同心円になります。つまり、一番中央に神がいて、その隣の円に天使が、そのまた隣に教皇が、と言った具合に中心から離れるほど神から遠ざかり、一番端はキリスト教以外の宗教を信奉するものになるわけです。

次にダーウィンの進化論についてですが、これは皆さんも知っている通り、人は猿が進化した生物だと言う説です。今ではこの説が間違っていると言うのは周知の事実ですが、当時の人達はこの説を信じていました。

3つめに、世界地図について。これは、日本人がよく見る日本中心のものではなく、ヨーロッパを中心としたものを思い描いて貰う必要があります。その地図ではアジア、特に日本は地図の端に位置します。

ここまで来れば、あのセリフの意味がわかる人もいるのではないでしょうか?分からない人のために以上3つを合わせて考えるとどうなるのか解説していきます。まず、1つめと3つめを合わせると中心であるヨーロッパは神に近い貴い人達で、地図の端である日本は蛮族であると言う構図になります。そしてここに、ダーウィンの進化論を加えると、神に近いヨーロッパを頂点とした円錐が出来上がります。結果、地図の端の日本は猿となるわけです。

「東洋の猿め!」にはこう言った当時の彼らの考え方があるわけです。日本人を馬鹿にした言葉ではありますが、実は、彼らがキリスト教徒であることを踏まえるともう一つの意味合いが出てきます。それは、「神に近い私達が猿を人に近づけてあげよう」という善意です。善意は善意でも独善であるわけですが、この独善のおかげで、今日の日本の発展があるのも事実です。このセリフが日本の発展の礎となったと言えば、流石に過言となるでしょうが、一助になったと思えば、このセリフを次聞くときには感慨深い気持ちで聞けるのではないでしょうか。